親の思い込み

前項でもちょっと触れましたが、親の願いと子どもの心とはどうしてもギャップがあります。勉強以外でよくあるのが、「うちの子はスポーツもできる!」というような、願いと期待がごちゃ混ぜになったような行動です。
ズバリ、子供の心を傷つけるダメ行為となるのが、できないことへの挑戦のさせ過ぎです。いわば挑戦の無理強いです。少年野球や少年サッカーでレギュラーになれない、泳げない、鉄棒で逆上がりができない、縄跳びができないなど、子どもに夢中なのはわかりますが、子どもの立場にもなってあげてください。
子どもにだって出来ないことがたくさんあるのです。親側にしてみれば我が子ですから、期待値が自然と高くなってしまいます。すると出来ないことが必要以上に気になってしまいます。だからと言って「なぜできないんだ!」ではNG行動そのものです。
何でもマスターするまでにはステップがあります。スモールステップが大事なのです。初めから「水泳大会で優勝しなさい」と言われたら、スイミングに興味がある子供でも、退いてしまうでしょう。泳げない子というのも身近にいます。多分、顔を水に付けることだけでも怖いと感じているはずです。そんな子どもを無理矢理深いプールに連れて行って、さあ、泳ぎなさいと強要しても、そうはいきません。特訓させてもいよいよ恐怖心だけが高まり、すごく嫌がるようになるでしょう。
ポイントはスモールステップにあります。最初のうちは水の中に浸かって、遊べばいいのです。そうしているうちにたまたま水が顔にかかることがありますし、水中に少し潜ったりもするでしょう。気がつかないうちに次第に水への抵抗がなくなってくればいいのです。
この段階になったら、泳ぎ方も知りたくなるはずです。一番NGなのは、「何でできないのか!」と頭ごなしに叱ることです。能力とはかけ離れた目標を勝手に立てて、に無理に挑戦させても、子どもの心に傷をつけるだけです。